Feb 17, 2004

KAUAI

その島に周回道路はない。
ひらがなの「つ」の字のように、北西の端で途切れた道の先には
ジャングルが広がっているらしい。
そこへ行く手立てがないわけじゃないが、ヘリか、または船を
断がい絶壁の岩場に乗り付けてロッククライミングするか、
とにかく車ではそのジャングルへは行けないのだ。

「つ」の書き出しのところまでの国道がとぎれた。
行けないはずの道の先に、こんなに細い道が?

車がギリギリニ台すれ違うことができるかできないか。
舗装されてはいるが、地図にはなかった道だ。
アスファルトの脇には赤土がむき出しとなっており、
ときおり拓けた野っぱらのようなところに掘建て小屋が並ぶ。
トレーラーハウスもある。

小川にかかった木製の橋は、譲り合って一台ずつ通るしかない幅だ。
小川にはカヌーで往く人がいる。
深緑に輝く水面に、カヌーでできた波紋が引かれる。
シラサギが1羽、舞い降りる。

切り立った岩肌に落ち掛かるシダの林を抜けると、
急にひらけて、白浜が見えて来た。
波は荒い。外海とはこういうものか。

サーファーたちは砕ける波間に見えかくれしている。

| | Comments (0) | TrackBack (0)