Mar 14, 2005

偶然の旅人

買いそびれていた新潮を図書館で受け取り、美容院へ向かう。
三寒四温というけれど、今日の寒の戻りは相当なもので、ちらちらと
雪が舞う。空は冬のそれに逆戻りしていて、重たいグレーだ。

美容院はなぜかハワイアンソングを流している。
いつもの担当の人は「寒いですね〜」と迎えてくれる。
ハワイアンソング、半袖、雪、三ヶ月ぶりの美容院。

しばらくファッション雑誌をながめていたが、カットなど一段落して
カラーに入ったので「偶然の旅人」を手に取った。
村上春樹の短編。

お話はとても淡々と進んでゆく。
主人公は41歳のピアノ調律師だ。
彼の中にある「孤独な優しさ」の輪郭が淡々と語られてゆく。
そしてその彼の匂い(洋服や髪や持ち物にしみ込んでいるような)が
匂いたったような気がした瞬間に、
悲しみをこらえているときの少し笑ってしまうような、涙をこらえている
ときの嗚咽をすこしずつ心に沈めているような、そんな時がふと手の
ひらからこぼれ落ちててしまい、涙が溢れてきた。
そこから最後の一行を読み終えるまで、静かに泣いた。

髪を静かにといていた人は、何も言わなかった。

春は花粉症の季節だからね。

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Sep 12, 2004

after dark after

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村上春樹さんの新刊アフターダークについてのとりとめのない感想。

いくつか感じたことを。
この先、ネタバレあり。

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Sep 02, 2004

COUNT DOWN THE AFTER DARK

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真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。
「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう
  村上春樹書下ろし長編小説 2004/09/07 発売

マリはカウンターに置いてあった店の紙マッチを手に取り、

ジャンパーのポケットに入れる。そしてスツールから降りる。

溝をトレースするレコード針。

気怠く、官能的なエリントンの音楽。真夜中の音楽だ。——(本文より)

もうすぐだ〜 嬉しいな〜
本を手にしたら 
まず表紙とかじっくり見て
コーヒーをいれて
ソファーに座って

あ、用事を先にちょっと済ませておかなきゃ

まず 目次とか 装丁とか色々見て
紙の質とかをスリスリして
大体何ページくらいあって、どれくらいの文字の大きさで
どのくらいの時間で読めるからそれだともうちょっとゆっくりと

書き出しの言葉と1ページ目を読んで

コーヒーを飲んで。

ソファーに深く沈み込んで

さあ、読もう! 

 

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Aug 05, 2004

村上春樹の新刊

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アフターダーク 村上春樹著 
9月7日発売 講談社

「夜明けまでには、まだずい分時間がある。」

作家デビュー25周年を飾る書き下ろし最新作。

装丁:和田誠

あぁ、これ以上の情報がないっ。
写真はチラシかポスターかなにかで、本の表紙ではないとのこと。
香港経由で情報を入手(笑)。
世界は近い。
ようで遠い。

前作「海辺のカフカ」の時には発売一ヶ月くらい前から専用サイトが立ち上がり、
カウントダウン気分を味わえた後、著者に感想を送れ、御本人のコメントが
あったり質問に答えてくれたり、至れり尽せりでした。
わたしは何度も書いたけれど結局送信ボタンは押せずじまいでしたけれど。

あれからもうどれくらいの時間が経つのだろう……。(二年です。)

これからじわじわとインタビューや書評などが出てくるのかな?
露出も色々とあることでしょう。
先入観無しに読むために情報遮断するのか?
それとも乾ききった心で貪るように読んでしまうのでしょうか?

都会に降り注いでいる流れ星で感動しただの、フライングトースターが
可愛かったなーだの、satoriで酔っただのという話しはみんなの思い出
なんだから、大切にね♪

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