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Dec 18, 2004

標本

初めての作家の本を読み出してものすごく自分にフィットする文体
だったりすると妙な感覚に襲われる。
その人の選ぶ単語や紡ぎ出す文章ひとつひとつにぐいぐいとはめら
れて行くその過程。

最初の数行を読んで、「ん?!」

……一ページ目を終えてじれったく次のページを繰り終える前に
目が早く早くと次を追う。そして「カチッ」「カチッ」と音がするように
次々とそこにはめるべきピースが嵌められてゆくと、
わたし自身がそこに埋め込まれてゆくのだ。
ゆるやかなカーブや強い角度などにフィットして行く。体がどんどん
その物語に馴染んで行く。チョウチョが虫ピンで体を押さえられて行く
ように、身動きがとれぬよう美しくピンが打ち込まれ……。
完全な拘束が終わった後に、本当の快楽がやってくる。
今度は心を奪われるのだ。 何度も。

……というような体験を久しぶりにしちゃった。
何てことない短い物語なんだけど……。
どうしてあんなに何もかも馴染んだのだろう。
新しい靴なのに、どこまででも歩けるような気分。

作家の魔法のようなものにかかったのか、それとも手管に落ちたのか。
テクニックっていうんじゃなくて、 彼の「手の癖」のようなものに酔っ
たのかもしれない。

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Comments

くまおまさん、だじゃれに無理がありすぎてものすごい破壊力ですよ(笑)なるほど、おや?っていう人が女子にモテてたりする、あれでしょうか。きっと素敵な言葉を使うんでしょうね〜♪

Posted by: cocoa | Jan 11, 2005 10:53 AM

あなた彼のこと、好きだっち!
・・・すきだっち ・・・すきらっち ・・・スキラッチ!! 
「スキラッチ」  ばん\(^(エ)^)/ざい

*すし太郎の活躍で取り乱しました。失礼いたしました。同世代か?前髪が怪しくなりかけていますorz が眼に光のあるいい男です。
学生時代なら、硬派で絶対彼女いないことになってて、しかしなぜか女の子といるところにやたら出くわすなあ?っていう、友達にいそうなタイプです。

Posted by: くまおま | Jan 10, 2005 09:25 AM

都庁の黒田さんに似てるとの噂を耳にしていましたが、いかがでしたでしょうか?(笑)>くまおまさん

Posted by: cocoa | Jan 09, 2005 07:57 PM

今日の読売新聞に「虫ピン」様へのインタビュー記事が。
ご尊顔も拝みました。

Posted by: くまおま | Jan 09, 2005 11:30 AM

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